日本では自営業の方も会社員の方も20歳以上の年齢になると国民年金に入ることが国民年金法という法律で定められています。
日本国は国民が全員保険に入る制度にしているために、日本に住んでいて住民票を持つ人はすべて国民年金に加入します。
しかし実際には経済的な理由で国民年金保険料を納付できない方がいる事も事実です。
日本国は国民保険制度を維持するために保険料の納付が困難な方たちが無年金者にならないように救済措置を取っています。
例えばの話ですが、お金がなくてどうしても国民年金の保険料を支払うことが出来ない場合は国民年金保険料の納付を全額免除されても保険料を納付した形を取ることも可能なのです。
国民年金保険料が納付免除されるには、役所で決められた手続きが必要になります。どのような手続きを取れば免除されるのでしょうか?
国民年金保険料の未納と、保険料納付の全額免除はどう違うの?
国民年金を連絡無しで保険料を未納にしてしまう事と、手続きをして保険料の納付を全額免除されることは、保険料を納付していないことにはかわりませんが、その意味は大きく違います。
現在国民年金の一人当たりの保険料納付金は月額16,540円です。(2020年度)
保険料未納も保険料納付全額免除も毎月の16,540円を支払わない事には変わりませんが、未納の場合は、最悪の場合、行政によって未納している保険料を強制的に取り立てられる(強制執行)可能性があります。
国民年金保険料を未納している場合は
国民年金の保険料を経済的に苦しくて納付できない方は数多くいます。
または経済的に国民年金保険料を納める余裕があっても将来の年金制度が存続しているか、不安で払いたくないという方も結構います。
しかし理由な何であれいずれも保険料が未納であることには変わりなく、処罰の対象になってしまう可能性があるのです。
特に注意しなければならないのは、経済的に余裕があるのに保険料を納付しないなど故意の場合は行政が資産の差し押さえを行う可能性があります。
国民年金保険料納付が全額免除の場合は
経済的に苦しくて保険料を納付できない場合は、正式な手続きを行えば国民年金の保険料納付の免除、または支払い猶予をしてくれます。
全額免除になると年金の保険料を全て免除され、その上で保険料を納付していないのに全額納付した場合の半分を納付したことになり、将来支給される年金額は満額収めていないので額面は減りますが年金はもらえるのです!
また国民年金には障害基礎年金という年金加入者が障害を負って働けなくなった場合、生活を守るための費用として障害年金が支給されます。
全額免除の手続きをしておくと障害基礎年金は満額支給されるのです。
国民年金の加入者が年金を受け取る前に亡くなってしまい、まだ小さいお子さんがいて、残された遺族の生活が心配な場合でも遺族基礎年金が18歳未満のお子さんがいる遺族の家庭に遺族年金を支給してくれます。
全額免除の場合でも障害基礎年金と同様に、遺族基礎年金は支給されます。
納付金免除の条件は?
国民年金の保険料を納められない原因は経済的に苦しいから、という理由が前述の資料から一番多いです。
経済的に苦しいことを行政に認めてもらうためには、税務署に提出する確定申告の写しや役所でもらえる納税証明書であなたの収入を証明する必要があります。
免除や減免される目安の例ですが、16歳未満のお子さんが2人いて共働き、もしくは奥さんが専業主婦の場合、ボーナス無しで世帯収入1か月平均40万5千円以下の収入では四分の一が免除されるのです。(控除前の支給ベースで)
上の事例は年収ベースで486万円以下となり、そんなに極端に低い収入では無いと思いますが、それでも年金納付額の4分の一が免除されます。
前年の収入が判断の基準となります。
失業された方は免除申請を行うと、前年の所得はゼロ!!として審査されますので、全額免除に非常に有利になります。
免除されてデメリットはあるの?
免除されると免除の額に合わせて老齢基礎年金の給付額が減ります。
納付した保険料の金額に合わせて給付額は決まるので、致し方ない部分ではあります。
しかし、これはデメリットとは言うほどのことではないかもしれません。
なぜなら、もし再就職して経済的に余裕が出来た時に、保険料納付免除だった期間の保険料をさかのぼって納めると満額の年金がもらえるからです。
ただし、さかのぼることが出来るのは10年以内までですので、それ以前に免除された分は納付することが出来ません。
また既に老齢基礎年金をもらい始めている方は年金を増やすためにさかのぼって納付したい、と言ってもそれは出来ません。
今から免除の申請を行いたいけど
申請の窓口は住んでいる自治体(市役所、区役所等)の国民年金担当窓口、年金事務所になります。
「国民年金保険免除・納付猶予申請書」という書類が窓口もしくは日本年金機構のホームページからダウンロードできますので必要な項目を書き込みます。
年金手帳が必要になります。無ければ日本年金機構が送付してくる「ねんきん定期便」などに書いてある年金番号が確認できる書類。
いずれもない場合は、年金事務所に行ってあなたの年金番号を探してもらいます。
失業が確認できる書類が必要です。
「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書」(会社を退職時に渡される書類にある)または「雇用保険受給資格者証」のコピーが必要です。
申請書以外の書類がどうしても見つからない場合は年金事務所で相談されるとよいでしょう。
おわりに
年をとっても私は働き続けるから年金なんて無駄、自分の時にはもらえなくなっているから納付するだけ無駄。
このような方たちが増えています。
確かに現在の少子高齢化を考えると制度として持つのだろうかという不安はあります。
しかし、国民年金には年を取った時に支払われる給付金だけではなく、まだ若い方がいきなり必要になるときの助けにもなるのです。
万が一の病気や事故による障害で働けなくなった場合やご自身が亡くなってしまい、残されたお子さんや配偶者への生活補助のための資金。
このような場合にカバーできる民間の保険もありますが、国民年金は年取ったときに亡くなるまで支払われる老齢基礎年金、自分が障害で働けなくなった時の障害基礎年金、自分が亡くなって遺族西は割れる遺族基礎年金の3つの機能がある非常に優れた保険でもあるのです。
少子高齢化を受けて、いずれ給付金の額は減ってゆく事があると考えられますが、そのほかの機能は維持されるでしょう。
こんなお得でつぶれる心配がない保険と考えれば、未納ではなくて免除手続してでも加入した方がメリットは非常に大きいと思います。
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