2018年6月7日にNASA(アメリカ航空宇宙局)が火星で有機物を発見したと発表しました。
火星はSF小説や映画でも題材にされるように生命がいる、または過去にいた可能性が非常に高い惑星の一つです。
アメリカのNASAを始めとして各国が探査機を送り込んでいますが、火星の地表に探査機を送り込むことが出来たのはいまだにアメリカだけです。(正確にはロシアも着陸成功していますが20秒で通信できなくなっています。)
2012年8月に無事火星に着陸成功した探査機「キュリオシティ」が今回の発見を地球に連絡してきました。
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火星ってどんな星なの?
火星は地球と同じく太陽の周りをまわる惑星の一つです。
地球の隣の惑星で地球の外側で太陽の周りをまわっています。火星の一年は地球の2.2年です。
地球と同じく岩石で作られており、大気も地球の0.75%しかありませんが存在します。
大きさは火星の直径は地球の半分しかなく、重力も地球の約40%程度です。
火星の大気の成分のほとんどは二酸化炭素です。
NASAの過去の調査結果によると生命に必要な水が火星に存在していることが分かっています。
火星の平均気温は大変に寒くてマイナス42度です。
地球の北極や南極に相当する火星の極地では二酸化炭素が凍ったドライアイスが大量にあると考えられています。
SF小説や映画では火星の地球化(テラフォーミング)がしばしば題材にされることがあります。
火星の極地にある二酸化炭素を何らかの方法で溶かして大気中の二酸化炭素濃度を上げれば温暖化が始まり、地表の下で凍っている水が溶け出し、植物を植えて酸素を増やして人間が住める環境に出来るというストーリーが多いです。
地球から最も近くて大気があり、水の存在も確認されているので予算を度外視すればテラフォーミングが実際に可能だと考えられています。
火星には生命がいないの?
火星が研究され始めてからの重要なテーマの一つに火星の生命体の発見です。
残念ながら火星ではまだ生命は発見されていません。
しかし、大気があって水があることが分かったので、現在はいないが過去にいたのではないか、と考える研究者も多数います。
また地表は寒すぎて生命が生きてゆくには難しいが地下に細菌のような微生物が生きているのではないかと考える研究者もいます。
今回の発見は何がすごいの?
火星にもし生命がいる、もしくはいたのならば生命がいた痕跡があるはずです。
人間が知っている生命とは炭素から体を作られています。
炭素がほかの元素と複雑に絡み合い、有機物という生命の体の材料となります。
私たちが生きてゆく為に物を食べますが、食べる物はすべて有機物です。
そして生命が生きてゆくには水が必要です。既に水は火星で発見されています。
今回の発見は探査機キュリオシティが火星の地面を掘ってその成分を調べたら有機物が見つかったのです。
生命の痕跡か、自然に出来たのか、今の段階では判別できないそうですが、生命の材料があったという事は火星に生命がいた可能性を高まったので今回の発見はすごい事なのです。
またもう一つ分かったことがあり、火星にはメタンガスもごくわずかですが存在します。
火星のメタンガスが冬よりも夏の方が濃度が高いことが分かったのです。
メタンガスは有機物が腐ると発生します。
NASAではメタンガスの濃度が変化するのは火星の微生物の生命活動の結果かもしれないがまだ分からないとしています。
NASAは非常に慎重な発表の仕方をしていますが、ひょっとしたら微生物がいるかもしれない、微生物から出てくるメタンガスで季節によって濃度が変わっているのかもしれないと発表したのです。
慎重なNASAがここまで踏み込んで発表するからには、まだ世界に発表していない新たな分析結果を持っているのかもしれません。
おわりに
あなたには上の写真の中央に写っているものが何に見えますか?
この写真は1984年に南極大陸で発見された隕石を割った内部を電子顕微鏡で見たものです。
南極大陸は氷におおわれているので隕石が落ちてもすぐに氷で覆われてよい状態で保存されます。
この隕石は調査の結果、小惑星と火星がぶつかって火星から飛んできたと結論付けられました。
写真の中央に写っているのは微生物のように見えませんか?
研究者達も発見された隕石は、生命が存在できる温度環境で作られたこと、隕石に有機物が含まれていたこと、奇妙な構造からバクテリアの化石だと推定されました。
しかし現在まで正式に生命の化石とは認められていません。
今回の発見や上の写真のような事例を積み上げて、火星に生命が存在したという発表されるのもそう遠くないような気がします。
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