ワールドカップ第3戦の地 ヴォルゴグラードってどんな街?

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サッカーのロシアワールドカップが始まります。

初戦コロンビアとロシア、サランスクで対戦します。

第2戦はセネガルとロシアウラル地方のエカテリンブルグで行います。

グループリーグ最終戦の第3戦はポーランドとヴォルゴグラードで戦う事になっています。

初戦、第2戦の結果によってはこのヴォルゴグラードが決勝トーナメント進出を決める運命の都市になるかもしれません。

この時期だけは日本人も気になるヴォルゴグラードとはどんな街なのでしょう。


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ヴォルゴグラードはどこにあるの?

ロシアは広大です。世界最大の国土を持っています。その面積は日本の45倍!!

その広いロシアの中でヴォルゴグラードという都市はどこにあるのでしょうか。

ヴォルゴグラードの位置

ヴォルゴグラードの位置

ヴォルゴグラードの位置はロシアの首都モスクワの南南東約1000㎞にあります。

日本からは空路で成田からモスクワを経由して行くか、羽田から中東のドバイを経由してゆくことができます。

ドバイ経由が全般的に早く、それでも乗り継ぎを含めて約24時間かかります。

ヴォルゴグラードの歴史は?

世界最大の湖カスピ海と黒海の中間ぐらいに位置しており、7,8世紀より商業、交通の要衝として栄えていたようです。

この辺りは民族的に入り乱れており、13世紀にはチンギスハーンの侵略にあった土地でもあります。

チンギスハーンの長男ジュチがこの地を支配しましたが彼は父チンギスハーンより早く他界してしまい、ジュチの息子や孫たちがチンギスハーン家最西方の国家、キプチャクハーン国を作りました。

時を経てチンギスハーンの直系子孫がいなくなると、御多聞に漏れずキプチャクハーン国の中で分裂が繰り返され無数のハーン国が周辺に生まれました。

現在のモスクワの東方にあるカザンやアストラハンといった地名はそれらのハーン国の名前に由来しています。

スラブ系ロシア人たち(白人)にとっては嫌な歴史の記憶かもしれませんが、ヴォルゴグラード周辺の地からロシア人が言うところの「モンゴルのくびき」というモンゴル人がロシアを支配した300年間が始まったのです。

近代になると第2次世界大戦の時にはヴォルゴグラードはナチスドイツ軍に包囲戦をされて、市民は亡くなった方の肉を食べるほど飢餓に追い込められ、多数の市民が亡くなりました。

また包囲したナチスドイツ軍も最終的にはソビエト軍に降伏して、旧日本軍兵士のシベリア抑留と同じくロシア各地に連行されました。

ヴォルゴグラードの包囲戦で捕虜となったナチスドイツ軍の兵士は約10万人でした。

しかし戦後ドイツに生きて帰ることができたのはそのうちの約5300人だけだったと言われています。

第二次世界大戦の時のヴォルゴグラードの名前は「スターリングラード」という名前でした。

ソビエト連邦の独裁者スターリンにちなんだ名前を付けられていました。

その為、ヴォルゴグラードはソビエト軍にとって食料が無くても武器が無くても絶対に降伏することが許されない死守しなければならない街だったのです。

ヴォルゴグラードの特産品は?

近代につながる今のヴォルゴグラード自体は1589年にモンゴル人に対する砦として作られました。

だんだんとモンゴルよりもロシアの勢力が強くなり、ロシア革命を経てソビエト連邦になると造船、製鉄、化学、アルミ精錬などの重工業が発達して現在に至っています。

ロシア全般に言える事ですが、ソビエト時代に各都市は特産品や工業製品を計画的に割り当てて生産させられていたので、ヴォルゴグラード独特の民芸品はこれといったものがありません。

ただし、ソビエト連邦が崩壊して現在はロシアになったので、ソビエト時代に固く禁止されていたモンゴルゆかりの伝統品が解禁されてお土産として売られているかもしれません。

もっともロシア土産で有名なマトリョーシカというロシアこけしはヴォルゴグラードでも売っているはずです。

ヴォルゴグラードの安全度は?

ロシアに限らず海外は間違いなく日本より治安が悪いと考えて行動した方が良いです。

麻薬使用者が人口比の0.5%近くロシアにはいますので、日本でも行かないような場所にはなおさら慎重に行動する必要があります。

100万人都市なのでそれなりに治安体制は出来ていると思いますが、海外ですので日本の常識で考えずにくれぐれも慎重に。

物価は?

もしワールドカップ時期にヴォルゴグラードを訪れるならば、ホテル、レストランなどの金額は例外的に高く跳ね上がっていると覚悟した方がよいでしょう。

通常ですと、ロシア人の平均給与は4~5万円と言われています。

1ルーブルが1.6~2円(2018年5月現在)ですので2万~3万ルーブルが平均月収となります。

ビールの小瓶が50ルーブル前後、タバコが45ルーブル、清涼飲料水が少し高くて50~75ルーブルといったところです。

おそらく市場などに行けば日本では考えられないぐらい果物や肉製品は安いかもしれませんね。

トラムという路面電車が30~50ルーブルほどで、手頃です。

ルーブルを入手するには日本の空港で当面必要な分だけを両替することをお勧めします。

モスクワやサンクトペテルブルグなどの大都市やウラジオストクやハバロフスクといった日本海に近い都市でもない限り日本円は非常にレートが悪いのです。

ロシアでレートが良くて交換しやすい通貨の順はユーロ、ドル、ポンドになります。(ドルの方がよい場合もあります。)

ロシアに着いてからVISAやMastercardが使えるATMを探してキャッシングした方がはるかにレートが良いのです。

ただし、2018年現在、ロシアは西側諸国より経済制裁を受けているので、西側のカードが使えないATMが多く、なるべくモスクワなどの大都市で事前に引き出しておいた方が無難かもしれません。

ヴォルゴグラードの観光名所は?

日本代表がグループリーグ第3戦を行うヴォルゴグラードアリーナのそばに巨大な像が立っています。

母なる祖国像

母なる祖国像

台座から像のてっぺんまで85mもあり30階建ての建物に匹敵する巨大なモニュメントです。

この巨大な像は数多くの市民が亡くなり地獄を見たナチスドイツとのスターリングラード包囲戦の勝利を記念して作られました。

その名も「母なる祖国像」です。台座の下にいる人の大きさと比べるといかに像が大きいか分かります。

ヴォルゴグラードアリーナへは?

ヴォルゴグラードアリーナへの行き方は空港からバスで約70分で市内のターミナルに入り、そこから

路面電車で行くことになりますが、ワールドカップ期間中は空港、鉄道駅から特別シャトルバスが運行される予定です。

路面電車の「セントラルスタジアム駅」を降りて徒歩10分の位置にあります。

ヴォルゴグラードアリーナ

ヴォルゴグラードアリーナ

ヴォルガ川に面したワールドカップの為に作られた最新鋭のスタジアムです。

日本-ポーランド戦は6月28日(木)17:00 日本時間日付同じく23:00キックオフです。

おわりに

もしこの街で日本代表の運命が決まるならば、何としても決勝トーナメントへの扉を開いてほしいものですね。

日本からの応援はもちろん、現地の人の声援も欲しいところです。

ポーランド以外の他の国が日本の相手ならばロシアの人たちは日本人好きが多いので日本を応援してくれると思います。(たぶん)

しかし相手がポーランドとなるとちょっと事情は変わってきます。

ポーランド人は民族的には南スラブ人と言ってロシアの主流民族のスラブ人と民族的に一緒なのです。

でもこのヴォルゴグラードもスラブ系の人たちばかりじゃなくアジア系を祖先に持つ人たちも多いので、きっと日本を応援してくれる人たちも多いはずです。

ちなみにヴォルゴグラードは第二次世界大戦で民衆が壊滅的な苦しい体験をした共通点から広島市と姉妹都市関係が結ばれています。


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