白湯(さゆ)を飲むといろいろと体に良いという記事を最近よく見かけます。
お湯を飲むだけでなのですが、様々な効能が取り上げられて、ちょっと不思議です。
特に白湯を飲むと体に悪い毒素が外に出てくるデトックス効果があるという記事が結構多いのです。
何も入っていないただのお湯が、どのように人間の体に影響を与えているのでしょうか?
始めは根拠のない民間療法の一種だと思っていましたが、調べてゆくうちに、科学的な根拠があるのでは、と考えるようになりました。
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白湯を飲むと毒素が出てくる根拠とは?
白湯のデトックス効果を調べている記事は結構あるのですが、なぜ毒素が出てくるのか、詳しく調べているものは少ないのです。
大体共通しているのはインド伝統的医学の「アーユルヴェーダ」によると、という記述が多いのです。
それによると白湯を飲むことによって体の老廃物が排出されるので健康になる、肌がきれいになる、活力が生まれる等々。
アーユルヴェーダとは紀元前5,6世紀には既に医学としての体系を持っていた非常に古い学問です。
ギリシャ・アラビア医学、中国医学とともに世界三大伝統医学と言われています。
二千数百年の歴史から得た膨大な経験則から導き出されているので、あながち書かれていることは見当外れではないでしょう。
では現代の医学に照らし合わせて、白湯を飲むとどうして毒素が出てくるのか、調べてみたいと思います。
白湯を飲むと毒素が出てくる仕組み
そもそも「体の毒素」とは何のことを言っているのでしょう。またよく使われる「老廃物」とは何を指すのでしょう。
人間の体はこれは毒素、これは栄養、これは老廃物と簡単に仕分けできるようなシステムではありません。
例えば体を老化させる活性酸素という不安定な酸素は白血球が細菌と戦う際に使われる武器でもあります。
活性酸素はアンチエイジング的には毒素と言えば毒素ですし、免疫的には必要な物質と言えば絶対に必要な物質なのです。
毒素や老廃物の範囲を広げてしまうとキリが無いので、まず白湯を飲むと体がどのように影響されるか、その範囲で考えます。
白湯を飲むことによって、胃腸が活発になります。神経が白湯の熱によって刺激される事で胃腸が目覚めます。
また白湯の熱によって胃腸を構成する細胞たちが活発になります。
細胞は生きてゆける温度の中で、温度が高ければ高いほど活動は活発になり、細胞分裂も盛んになります。このことは細菌を使った実験で証明されています。
胃腸には老廃物があります。食べ物の消化かす、死滅した腸内細菌、腸壁の細胞の死骸などです。それらはまとめられて大便となって体から出てゆきます。
胃腸の調子が悪いと大便が外に出ません。宿便となって体内に残る「便秘」という現象です。
便秘は体にとって非常に良くない状態です。便が腸内の悪玉菌によって腐敗し、アンモニアや、硫化水素といった「毒素」を生み出すのです。
白湯を飲むことによって腸の活動が活発になり、宿便が排出されるようになるので、確かにデトックス効果はあるといえるでしょう。
アーユルヴェーダの時代にはアンモニアや硫化水素の存在はまだ分かっていないので、「何か体に悪いもの」が排出されるという認識だったのではないでしょうか。
「毒素」は腸の内壁を通る血管に吸収されて体中をめぐります。最終的には肝臓で無害なものに変えられますが、タダではないのです。
肝臓も毒素を分解するためにかなりのエネルギーを使います。
そのエネルギーは本来体を修復するためのエネルギーで、肌の修復やしみ、そばかすなどを元に戻すためのものですので、肝臓で使われてしまうと足りなくなってしまいます。
体を修復するためのエネルギーが足りなくなると老化が進むのです。
ですから白湯を飲むことによって胃腸を活発にし、細胞が活発になるので代謝も進み、余計な毒素が出てくる前に排出、消化が出来るので、結果として、肌もきれいになり、美容効果もあるのです。
おわりに
アーユルヴェーダの時代には具体的にアンモニアとか硫化水素とか毒素の正体は分からなかったでしょうが、経験的に分かっていたのでしょうね。
一杯のお湯が胃腸をよみがえらせることによって健康が得られるなら、こんなにコストパフォーマンスの良いことはありません。
しかも何も添加物が入っていないお湯を飲むだけです。
一度試してみる価値があると思いませんか?
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