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私たちの日々のエネルギーになると言われている炭水化物が命を縮めていると言われたらどう思いますか?

私たち日本人が主食として食べているご飯は炭水化物ですが、あまり体に良くないと言われたら、おそらく大騒ぎになる事でしょう。

日本の農業の根幹である稲作にも大きな影響が出るでしょう。

そんな大問題になりそうな研究結果が最近発表されました。


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イギリス医学誌に驚きの研究報告が

2017年にイギリスの医学界専門誌「ランセット」に驚きの研究報告が掲載されました。

それは「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という論文です。

この論文の要点は4つあります。

  1. 炭水化物摂取量の多さは、全死亡リスクの上昇と関連している
  2.  総脂質も各種脂質も摂取量の多さが全死亡リスクの低下と関連している
  3. 総脂質、各種脂質の摂取量は、心血管疾患、心筋梗塞(こうそく)、心血管疾患死と関連していない
  4. 乳製品や動物性食品に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量は脳卒中の発症リスクと逆相関している

この4つの要点の中で一番驚かれているのが1の炭水化物をたくさん食べると全ての死亡リスクが上昇しますよ、という点です。

次に驚かれるのは2と3の要点です

2についてですが、従来は脂をいっぱい食べると体に良くないと言われてきましたが、今回の報告はこれを否定するもので、脂をたくさん食べると病気になって死亡するリスクが減る、と言ってます。

3については2同様に脂をたくさん食べると心臓の血管が詰まる心筋梗塞になったり、心臓の血管に障害が出ると言われていましたが、脂をたくさん食べてもそれらの病気に関係は無いと言っています。

4については日本の国立がん研究センターでも4万3千人を追跡調査して同様の結果を報告していますので、改めて驚くような内容ではありませんでした。

今回の論文はカナダのマクマスター大学が5大陸18カ国で35~70歳の13万5335人を対象に心血管疾患や死亡したケースに対し食事がどのように影響するのかを検証した研究の結果ですので確度はかなり高いと考えられます。

過去のこのような調査は欧米の高所得者を対象としている事が多いのですが、今回は18か国の低所得層、中所得層、高所得層をそれぞれ対象にしています。

炭水化物をたくさん食べるとどれぐらいリスクが変わるの?

今回の研究報告では炭水化物をどれぐらい摂取しているかによって5つのグループ分けをしています。

一番炭水化物を食べないグループ(1食のうち炭水化物の割合約46%)と一番多く炭水化物を食べるグループ(1食のうち炭水化物の割合約77%)で比較しました。

その結果、食べるグループは食べないグループと比べて1.76倍も死亡率が高くなっていました。

脂に関しては逆で、最も脂を食べないグループと最も脂を食べるグループを比べると、脂を食べないグループが食べるグループの1.64倍も死亡リスクが高くなっていました。

炭水化物のイメージ
炭水化物のイメージ

炭水化物の何が悪いの?

今回の報告では炭水化物の何が死亡リスクを押し上げているのか、言及していません。

炭水化物は食物繊維と糖質でできています。

食物繊維は腸内の老廃物をそぎ落としたり、腸内細菌の善玉菌の栄養になるので死亡リスクの増加と関係ないと思われます。

一方、糖質は脳を始めとした各内臓のエネルギーになりますが、たくさん食べ過ぎると余った糖質が脂肪細胞に取り込まれます。

脂肪細胞に取り込まれない糖質は血液の中に残り、全身にまわります。

やっかいなことに、血液の中の糖分は体を作るたんぱく質と結びつく性質があります。

人間には体温があるので体温に温められると糖分とたんぱく質が結びついて「AGE」(最終糖化産物)という老廃物になってしまうのです。

血液の中に絶えず糖分が残っていると体中のたんぱく質がどんどんAGEという使い物にならない老廃物になってしまうので、体の老化が進みます。

AGE(最終糖化産物)が増えると

まず、見た目で老化が進みます。肌の張りを保つコラーゲンというたんぱく質がありますが、コラーゲンと糖分がくっついてAGEとなると肌の張りが失われてシワやたるみができます。

AGEは茶色ですのでシワやたるみだけでなく、シミやくすみの原因にもなります。

体の中では、コラーゲンは骨や軟骨にも含まれています。骨や軟骨のコラーゲンがAGEに変わってしまうと、柔軟性が無くなり、骨粗しょう症になって、骨が折れやすくなります。

体を作っているたんぱく質がAGEとなるという事は体のたんぱく質がある部分、すべてで老化が進むという事ですから、結果として様々な病気を引き起こして死亡率が上がると考えられます。

おわりに

炭水化物を控えると痩せるという事で炭水化物ダイエットもしくは糖質ダイエトが流行っています。

今回の研究結果はダイエットや美容やアンチエイジングとしてもてはやされている炭水化物断ちがどうやら正しいという事を裏付けた結果となりました。

今まで食べていたご飯が体に良くないという結果で非常にショッキングですが、糖質が体に悪さすることは今回の研究以前に報告されていました。

私も3食のうち、1食だけ炭水化物を食べるようにしようと考えています。

そうすれば体に良いという事が今回の膨大な数のデータではっきりしたからです。


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