最近、フィチン酸という聞きなれないものが取り上げられることが多くなってきました。
玄米を脱穀したときに出る米ぬかにたくさん含まれているそうです。
米ぬかには美白効果があることが昔から経験で知られています。
糠漬けをいつも仕込んでいる人の手は白くて若々しい、これは何か肌にいい成分があるはずだ、と観察力の鋭い科学者が調べてみたところ、どうやらフィチン酸という物質の効果だと分かってきました。
研究を進めるうちに美白だけでなく、体全体を若返らせるほどのアンチエイジング効果を持っていた事が分かってきたのです。
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フィチン酸ってなに?
フィチン酸は植物に含まれている物質で「フィチン」という物に含まれています。
フィチンは体の中でフィチン酸というものに変わりますが、安定した状態に戻ろうとする性質があり、体の中でまたフィチンに戻ったりフィチン酸になったりします。
フィチンが多い食べ物はゴマ、大豆、玄米、トウモロコシ等に多く含まれています。
これらの穀物が精製前(殻をむく前)の方がフィチンが多く含まれているので、殻に多くのフィチンが含まれていると考えられます。
フィチン酸の効果とは
フィチン酸は鉄や亜鉛と強く結びつく性質があります。鉄や亜鉛は体を作る重要な物質ですが、体の中で酸化(さびる)して腸にダメージを与える性質もあります。
ダメージが慢性化すると大腸がんに変わることがあります。
フィチン酸は鉄や亜鉛が酸素と結びついて酸化する前にそれらと結びついて酸化を防ぎます。
従来は食物繊維の多い食品を食べると大腸がんになりにくい、食物繊維は大腸がんを予防するという考え方でした。
1985年に同じ食物繊維でもフィチン酸が多い食物繊維を摂取すると大腸がんにかかる割合が減ることが報告されました。
その報告を受けてフィチン酸単独で大腸がんを抑える効果がどのぐらいあるのか、現在でも研究されています。
フィチン酸の主な効能は今現在分かっているだけでも以下の通りです。
- 尿路結石、腎結石の予防
- 歯垢が出来るのを抑える
- 大腸がん、乳がん、肺がん、皮膚がんの予防の可能性
- 抗酸化作用(体のサビを防ぐ)
アンチエイジングとの関係
フィチン酸は体を錆びさせる活性酸素や鉄や亜鉛などのミネラルの酸化を防ぎます。
体内では活性酸素を防ぐ「抗酸化物質」が作られていますが、抗酸化物質の量が足りなくなると酸化を防ぎきれずに活性酸素によって細胞が傷ついて老化してゆきます。
強力な抗酸化作用を持っているフィチン酸が体の中にあると、腸内を始めとした消化器系を中心に酸化が抑えられます。
活性酸素は太陽の紫外線を浴びる事によっても生まれます。
特にいつも太陽光にさらされる顔や肌の皮膚では活性酸素が生まれています。
活性酸素が肌や皮膚で生まれても、肌の酸化を防ぐ抗酸化物質のフィッチン酸が十分に供給されれば、肌の老化を食い止めることができます。
おわりに
米ぬかの美白効果の発見によって正体がだんだん分かってきたフィチン酸。
フィチンが多く含まれる部分は食べ物の殻や皮の部分。
食品をすべて殻ごと食べないとフィチン酸を摂取出来ないのです。
生き物は丸ごと頂いてこそ完全食になるという事を言っている医師のグループがいらっしゃいましたが、全くその通りです。
穀物の殻や皮にこんな効能が隠されていたとは今更ながらですが驚きました。
豆類やコメ、小麦に多く含まれていますが、正直、これらの殻は食べにくいです。
現在ではフィチン酸のサプリメントも販売されています。
とうもろこし、ピーナッツ、アーモンド、ゴマにもたくさん含まれているので、これらの食べ物を工夫しておいしく食べて、若々しい体になりたいものです。
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