ストレスが健康に与える影響は色々と報告されていますが、ストレスにもよいストレスと悪いストレスがあるようです。
ストレスをストレスと受け取るか、ストレスを感じていないと考えるか、考え方ひとつで健康状態が変わるという事が最近の研究で分かってきました。
長い人生、大なり小なりストレスから逃げる事ができないのなら、ストレスの受け止め方を転換して健康的な人生を送りませんか?
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ストレスとは
ストレスには大きく分けて四つに分かれています。
ストレスの語源は苦しめる物、苦悩を意味する「ディストレス」が短くなった、と言われています。人間を苦しめる外的要因は以下の通りです。
- 物理的ストレス・・寒い暑い、騒音、放射線、紫外線など
- 化学的ストレス・・薬物、酸素不足など
- 生物的ストレス・・感染、炎症など
- 心理的ストレス・・怒り、不安など
一般的には心理的ストレスを「ストレス」という事が多いです。
ストレスと老化の関係
最近、ストレスと老化の関係の研究が進んで、様々なことが分かってきました。
結論から言うと、ストレスは老化を早めます。心の問題がどうして体の老化を早めるのでしょう。
怒りや不安を強く感じると人間の体は副腎皮質ホルモンというものを分泌します。このホルモンは「コルチゾール」という名前です。
コルチゾールは普段は体を作る脂肪や炭水化物、たんぱく質の入れ替えに大切な役割をしています。
ストレスによってコルチゾールが大量に短い間に分泌されると、血圧が急激に上がり、免疫機能が低下し、不妊になりやすいという報告があります。
またコルチゾールが大量に分泌されると脳の奥深くになる、記憶に関係がある「海馬」という部分が縮み、うつ病になる事も報告されています。
「海馬」の委縮はストレスから解放されてコルチゾールの分泌が止まると、回復して元の大きさに成長することも分かっています。
ストレスを強く受けるとコルチゾールによって体のあちこちが不具合を起こすようになり、修復するために体は大量のエネルギーを使います。
本来ならば体が肌や髪の毛や内臓のメンテナンスをするためのエネルギーがストレスによって無駄に消耗されてしまいます。
絶えずストレスを感じていると絶えず修復しなければならないので、体は維持するためのエネルギーが足りずにだんだんと老化してしまいます。
ストレスを体に害があると考えない
これだけ社会でストレスが問題になっているのに、何を言ってるのだろうと思われるかもしれません。
以下にストレスが体に害があるか、雑誌や本、テレビでも取り上げられています。
しかしある研究では、害があると思い込むことによって実際に害が発生しているとしか考えられない結果が出ています。
アメリカの健康心理学者ケリー・マクゴニガルは3万人を対象に8年間にわたって健康調査を行いました。
その結果、非常に興味深いデータが出ました。
ストレスは健康に良くないと考えていない人達のグループとストレスは健康に害があると考える人たちのグループの死亡率が43%も違ったのです。
ストレスが健康に害があると考えている人たちは、ストレスを感じて心臓がどきどきすると、これは体に悪いと認識すると実際に血管も収縮して心不全の原因となりました。
ストレスは健康に影響しないと考えている人たちは、ストレスで心臓がどきどきすると新鮮な血液を送りこんでくれているのだ、と肯定的にとらえると、血管が収縮しなかったのです。
この心理学者はストレスは受け止め方によっては健康に全く害が無いと言い切っています。
おわりに
「病は気から」と言いますが、心のストレスが実際に体の不調を引き起こし、命にかかわる病気まで引き起こす可能性があることは今の医学で分かっています。
逆に、ストレスを前向きにとらえれば、体が悪い方に反応しない事がアメリカの大規模人数の実験で証明されました。
これは、どう考えればよいのでしょう。今の日本ではストレスがすべて悪で、ストレスがあるところには病気もある、といったような論調ですし、私もそう思います。
アメリカのような実験を日本でも行えば同じような結果が得られるのでしょうか。
実験のアメリカ人のようにストレスは害が無いと考えるのは、急には無理そうですので、なるべく、嫌な事は考えないように、のらくらとしてストレスをがっぷり四つに受け止めない事から始めてみようかと思います。
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